辻仁成氏、2021年フランス観光親善大使に就任

フランス観光開発機構 総裁 カロリーヌ・ルブシェ(左)と辻仁成氏(右)
就任の抱負を語る辻氏
5月30日に行われたクルーズライブの様子
Press release

フランス国家唯一の観光推進機関であるフランス観光開発機構(アトゥー・フランス 本部パリ)は、2021年5月28日、フランス在住の作家・ミュージシャンの辻仁成氏を2021年度フランス観光親善大使に任命いたしました。

フランス観光親善大使のタイトルは2000年、フランス観光開発機構の前身であるフランス政府観光局が創設し、フランスに縁のある著名人の個人的な視点からフランスの魅力を発信してもらうことを目的にこれまで45人の方を任命しています。新しく就任される観光親善大使には、駐日フランス大使、フランス観光開発機構総裁の署名入りの任命状が渡されます。今年はフィリップ・セトン駐日フランス大使、フランス観光開発機構カロリーヌ・ルブシェ総裁による任命状が、弊機構パリ本部にて辻氏へカロリーヌ・ルブシェにより手渡されました。

氏は2000年度初頭よりパリ在住。ブログやSNS、自身が立ち上げたウェブマガジン Design Stories を通じ、フランスでの日常生活のほか、コロナ禍にある世界やフランス情勢についても、未来を見据えポジティブな視点から精力的に発信を続けられています。その高い発信力を評価し、フランス観光開発機構は2021年度フランス観光親善大使の任を辻氏へ依頼することを決定いたしました。 任期の間、氏はフランス観光開発機構やその協力先の各地方観光局と連携し、フランス各地の見どころを発信される予定です。発信の場は主にウェブマガジンDesign Storiesとし、フランス観光開発機構の公式サイト France.fr 内に設けるフランス観光親善大使特設サイトと連携されます。

就任から二日後となる5月30日、氏はセーヌ河のクルーズ船からオンラインコンサートを配信するという初の試みに挑戦。演奏の合間に観光親善大使への就任を報告し、エッフェル塔やオルセー美術館などパリの名所をガイドするなど、就任後初の自身のイベントを観光プロモーションに繋げ、観光親善大使としての存在感を十二分に発揮されました。



辻仁成氏
大変光栄なことにフランスの親善大使に任命されました。 パリに暮らし始めて20年が経ち、僕の息子もここで生まれ、来年は大学生になろうとしています。フランスに育ててもらったというのもあり、何かフランスに恩返しができたらと思っていました。 最近パリと田舎を行き来する中で今まで知らなかったフランスの良さに気付き、それを日本の人に伝えたいと思っていた矢先の親善大使のお話でしたので、これはちょうどいい僕の仕事だと使命感に燃え、オファーを請けさせていただきました。 日本の皆さんにフランスの素晴らしさ、この国が持っている文化と教養、そして心のやさしさをすべて僕なりに解釈してお伝えできればと思っています。

カロリーヌ・ルブシェ(フランス観光開発機構総裁)
フランス観光親善大使の任命状を辻様にお渡しできて非常に光栄です。彼は才能豊かで、その感性をフランスの国民と分かち合い、とくに日本とフランスを結ぶ分野である文化、歴史、食、フランス流の暮らしを敏感に感じ、日本の皆様に伝えておられます。 このような方に親善大使をお願いできるのは大変嬉しく光栄なことで、我々にとって大きなチャンスであります。氏を通して日本の皆様がフランスの文化、歴史、史跡、食を知り、この国やその多様な風土と人への理解が深まること、氏の著作や取材によりフランスについて良き反響が起こることを願ってやみません。


◆2021年フランス観光親善大使プロフィール◆

辻 仁成(つじ・ひとなり)
作家
1989年『ピアニシモ』で第13回すばる文学賞を受賞。97年『海峡の光』で第116回芥川賞、99年『白仏』の仏語版「Le Bouddha blanc」でフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を日本人として唯一受賞。映画監督として、1999年、第三回ドーヴィル・アジア映画祭コンペティション部門で監督作品「ほとけ」が最優秀イマージュ賞受賞。同作品でベルリン映画祭。監督作品「千年旅人」でベネチア映画祭、監督作品「アカシア」で東京国際映画祭にノミネート。ミュージシャンとしては80年代にECHOESを結成、作詞作曲した「ZOO」がミリオンセラーに。さまざまな分野で活動を続ける。現在は拠点をフランスに置き、日仏を行き来しながら創作に取り組んいる。帝京大学・冲永総合研究所特任教授。Webマガジン「Design Stories」、デザイン&アートの新世代賞を主宰。
WebマガジンDesignStories:www.designstoriesinc.com