観光産業復興・変革プラン Destination France Plan

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観光産業復興・変革プラン

観光立国ナンバーワンの地位を保持するために

2021年11月20日(土)、フランス首相ジャン・カステックスは前中小企業担当大臣アラン・グリゼおよびヨーロッパ・外務大臣付観光・在外フランス人・フランコフォニー担当副大臣のジャン=バティスト・ルモワンヌ両氏とともにアンボワーズを訪れ、観光産業の復興と変革にむけた「デスティネーション・フランス・プラン」を発表しました。このプランの実現に、フランス観光開発機構(アトゥー・フランスAtout France)は全面的に参画いたします。


2020年6月、サン・シル・ラポピーを訪問したエマニュエル・マクロン大統領は、コロナ禍を脱した際のフランスの観光業を再活性化させるためには、復興プランの立ち上げが必要であると発言していました。コロナ禍は観光業に深刻な打撃を与えただけでなく、観光業界が抱える構造的な課題を増幅させ、表面化させたのです。 

19億ユーロの予算が計上される「デスティネーション・フランス・プラン」をもって、フランス政府は10年をかけた観光セクターの発展と変革の道筋を示しています。その目的は、フランスの観光産業を極めて優秀で、発展性があり、かつ雇用を生むセクターにすることで、観光立国ナンバーワンの地位を強固にし、またサステイナブルな観光デスティネーションとしても第一位の地位を確保することにあります。それは、特にエコロジーな観光への過渡度において、フランス国内外の観光消費者が持つあらたな期待に添うべく、より質を重視した、持続可能で、回復力のあるモデルに基づいたものとなります。 

「デスティネーション・フランス計画」は、5つの戦略的分野を軸にした20の施策に基づいています。

  

1 – 観光業の人材獲得と再活性化  

  • ホテル・カフェ・レストラン業界と運輸業界を中心に、観光産業における職業の魅力をアップさせるため、2年間で大規模な広報キャンペーンを行い(1,000万ユーロを投資)、若者向けの「観光職業週間」の実施を企画しています。
  • また観光分野の高等教育機関のネットワークを構築します。

  

2 – 観光産業の回復力(レジリエンス)の強化、観光サービスの質向上を支援  

  • 構造的な投資は、特に宿泊施設や飲食業界におけるサービス向上を保証するものでなければなりません。従って長期の貸付など公的な仕組みが強化されることになります。
  • とくに中規模都市におけるホテルやカフェ、レストランの改修や改築により、サービスのレベル向上を図るため、新しいプログラム「フランス・ツーリズム・エンジニアリング(France Tourisme Ingénierie)」が開始されます。フランス観光開発機構および地域銀行(Banque des Territoires)が運営し、250 万ユーロの予算が計上されるもので、地域銀行による6,000万ユーロのターゲットを絞った投資プログラムによって補完される予定です。
  • さらに、ビジネス観光とイベントの再開を支援するために、1億ユーロの予算が計上されます。
  • フランス観光開発機構による「フランス観光業の観測調査(France Tourisme Observation)」では、観光データの構造化と分析が可能となり、観光セクターにおける知識が深まることも期待されます。
  • 旅行会社に対する保証金の市場を安定させるため、公的な再保険の仕組みも構築されます。
  • 最後に、あらゆる人が休暇を楽しめるようにするための施策も行われます。

  

3 - フランスが持つ観光資産のさらなる強化と発展  

  • フランスには自然や文化的な観光資産があり、5,100万ユーロの専用予算をもって、これらをさらに発展、充実させることができます。
  • 陸および海洋の生物多様性を保全するための投資を加速させることで、この観光資産への負荷を削減できます。
  • また文化的な観光を今よりさらに発展させ、文化をフランス各地で共有することを支援するため、手仕事や伝統工芸をテーマにした観光の発展と同様に、欧州評議会による「文化の道」に一層力を入れていきます。
  • 観光エンジニアリングに対する支援策として5,500万ユーロの強化が図られ、フランス観光開発機構と地域結束国家庁(Agence Nationale de la Cohésion des Territoires)により地域観光の開発がサポートされます。

  

4 – 観光セクターの変革に着手  

「デスティネーション・フランス計画」では、2030年までにフランスをサステイナブルツーリズムとしてのナンバーワンデスティネーションの地位を確保すること(および、サイクルツーリズムのデスティネーションとしても第一位となること)を目指しています。 

  • 復興計画の一環として設立された「持続可能な観光基金」は、環境に配慮した旅行商品の提案、特に広がりを見せつつあるスロートラベルにおいて具体的に観光業界をサポートすべく、強化されます。
  • フランス観光開発機構が2022年4月から適用する宿泊施設の新たな格付け制度は、より厳しい品質基準に加え、持続可能性と環境への配慮に対する基準が多く盛り込まれます。
  • エコロジカル・フットプリントを管理するためのツールを観光業者が利用できるようにします。
  • サイクリングロードなどの持続可能な観光インフラの整備に4400万ユーロが投じられる予定です。
  • さらに観光業者のデジタル化を支援するため、公的投資銀行(Bpifrance)、アトゥー・フランス、およびフランス貿易投資庁-ビジネスフランス(Business France)による「ツーリズム・テック(Tourism Tech)」プランが開始されます。観光分野のスタートアップ企業の育成を、特に事業の実証実験を行える地域を通じて支援し、フランスにおけるユニコーン企業の出現を促進させます。
  • 最後に、零細企業、中小企業のデジタル移行に対する特別な支援を実施します。

  

5 – 「観光地フランス」をPRし、市場シェアを強化  

  • 観光客の回復を確実にし、国際競争に立ち向かうため、フランス観光開発機構は2024年まで、一般旅行者、メディア、旅行会社を対象として、観光デスティネーションとしてのフランスを大規模にPRし広報活動を行います。旅行会社向けのリモートによる研修も提供する予定です。観光地としてフランスが代表的な地位を保つため、この計画には2,000万ユーロの予算がつきます。デスティネーション・フランス・サミットは今後も継続され、毎年開催される予定です。
  • さらに、今後数年間にフランスで開催される大規模な国際スポーツイベント(ラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピック)は、旅行先としてのフランスの魅力を高め、経済的な効果を最大化する機会となることでしょう。アトゥー・フランスは、これらのイベントを世界の観光関係者にアピールするとともに、イベント開催都市における外国人観光客の受け入れ態勢を向上させるため、開催都市のタクシーや宿泊施設業者に対する研修実施の取り組みに参加します。

  

Contact

増田真由美
フランス観光開発機構