プロヴァンスの風習において「クリスマスの季節」とは、12月4日の聖バルバラの日から2月2日のろうそく祝別の日までを指し、この間プロヴァンスの伝統行事が次から次へと繰り広げられます。
街や村々は賛美歌やキリスト生誕群像に扮する人々、パルトラルで活気づきます。パルトラルとは、キリスト生誕を村人が演じる寸劇。出演者たちはプロヴァンス語で聖俗を織り交ぜながら笑いと感動を込めてキリストの生誕を語ります。深夜ミサは、羊飼いや農民が生まれたばかりの子羊を捧げるパストラージの儀式が行われ、大変感動的です。村人たちはフルートと太鼓をもってリボンで飾られた子羊に付き添います。その後には羊飼いたちが繁栄をあらわす果物のかごをもって従います。
クリスマスはまた、グルメな味覚を満たすためにも最適な機会です。12月24日に「グロ・スペ」と呼ばれる質素ながらもたっぷりとした食事をとる喜びを各自が分かち合います。このディナーは、キリストと12人の使徒を意味するトレーズ・デセール(13種類のデザート)で締めくくられますが、このデザートはプロヴァンス独特のものです。
ろうそく祝別の日は、クレーシュ(キリスト生誕の場面を再現した模型)を解体し、聖母の清めと「新しい火」を祝います。 プロヴァンス地方では、クリスマスは今でも比類のないお祭りであり、過去と先祖を思い起こさせ、プロヴァンス人の心に入り込むことのできる忘れられない体験なのです。
2014-15年のプレス資料「プロヴァンス クリスマスの時」に、クリスマスの伝統行事の詳しい解説、クリスマスマーケットの情報をまとめています(英語版、仏語版のみ)