日本人旅行客の訪仏需要回復に向けて

Press release

日本人旅行客の訪仏需要回復に向けて

フランスは日本からの旅行客が欧州内で最も多く訪れるデスティネーションでしたが、昨年来の日本人観光客大幅減はフランスのみならず日本の旅行業界にも深刻な影響を及ぼしています。そのため日本観光庁(JTA)と日本旅行業協会(JATA)、ならびにフランス観光開発機構(ATOUT FRANCE)はこのほどフランス、とりわけ首都圏イル・ド・フランス地方への日本人旅行客需要回復を目指し、共同で具体策を講ずることになりました。

不利な状況

何年も前から年間70~80万人をフランスに送客し続けていた日本は、遠隔市場の中で最も重要な国のひとつです。またフランスは欧州で日本からの旅行客が最も多く訪ねている国です。 日本市場は相変わらず活発ではあるものの、ここ数年の訪仏観光客数は変動の様相を見せています。これは日本人の海外旅行全般の減少、経済的要因(ユーロに対する円安)、人口の高齢化などによるものと思われます。 2015年のフランスは1月、11月と2度のテロに見舞われ、安全の問題に極めて敏感な日本人客の受け入れに関しては格別に難しい年となりました。8月にはいったん回復基調が見られ、旅行先としてのフランスの根強い人気が確認されましたが、11月13日の同時多発テロを受けて再び大量のキャンセルが発生し、とりわけパリは大きな影響を被りました。

前例のない総動員

無論フランスは一日も早く日本人旅行客がパリやその他の地方に戻って来ることを望んでいます。そのため日本の観光庁と日本旅行業協会、ならびにフランス観光開発機構はこのほどフランス、とりわけ首都圏であるイル・ド・フランス地方への日本人旅行客需要回復を目指し、共同で具体策を講ずることになりました。

第1段階:1月14~18日:日本の観光関連業者視察団がフランスへ1

こうして日本人客の訪仏需要回復を促進すべく、在日フランス大使館とフランス観光開発機構は観光庁と日本旅行業協会(JATA)に呼びかけ、官民の観光関連業者・団体から成るフランス視察団を結成しました。 その目的は、パリが平常・平穏な状態に戻ったことを現地で確認し、フランスの現状に関するポジティブなメッセージを日本のメディア、JATA会員の旅行会社とその顧客に向けて発信できるようにすることです。 またフランスにとっては、日本人客を最高のコンディションで迎えたいとの意志を日本の観光関連業者に強く表明する機会でもありました。

それゆえ今回観光庁の古澤ゆり審議官、日本旅行業協会の菊間潤吾副会長が率いる日本の視察団はフランス側の最高レベルの接遇を受け、1月15日にはマティアス・フェクル貿易・観光振興・在外フランス人担当大臣官房のシリル・ピエール官房長、パリ警視庁のミッシェル・カド警視総監、エールフランス航空・KLMオランダ航空のアレクサンドル・ド・ジュニアック社長、アコーホテルズ・フランスで高級ブランドのソフィテル、プルマン、エム・ギャラリーを統括するジュリー・グレゴワール シニアヴァイスプレジデントなどの要人と面談しました。

日本就航以来60年を超えるエールフランス航空も無論フランス観光開発機構と共同でこのミッションにあたり、今後も一層日本人顧客の要望に応えるサービスを提供し続けることを強調しました。

フランス全国に1500軒、パリには120軒を超えるホテルを展開するアコーホテルズは、日本の顧客受け入れの長い歴史を持っており、使節団に対し、とりわけ高級ブランドのホテルにおいて日本語によるフロント対応や日本語メディアの用意などで特別な顧客対応を行っていることを強調しました。当視察団の受入側パートナーであるアコーホテルズは、パリの忠実な顧客であった日本人客に対するパリの魅力発信に貢献していくことを確認しました。

1月15日には日本からの視察団とフランスの観光関連業者との間で意見交換会も行われ、フランス側からは首都圏イル・ド・フランス地方からパリ観光・会議局、パリ・イル ド フランス地方観光局、ルーヴル美術館、バトー・パリジャン等、またフランス全国展開の企業・団体としてはアコーホテルズ、エールフランス航空、ギャラリー・ラファイエット、プランタン、フランス国立文化財センター、シティビジョン、キャトル・ルー・スー・ザン・パラプリュイ等が参加しました。

日本旅行業協会(JATA)により「フランスの美しい村」として選出されたリクヴィルとサン・シル・ラポピーを域内に有するアルザス地方観光局およびミディ・ピレネー地方観光局も、使節団の受入側パートナーとして参画しました。使節団はパリでの行程を終えた翌日から、2村の視察のため現地へ赴きました。

第2段階:日本の旅行業者向けセミナー、視察団によるパリ見聞の発信

今回の訪仏視察団は日本へ帰国後,東京のフランス大使館でセミナーを開催し、日本旅行業協会(JATA)が主要旅行社約50社を招待します。そこでは先般視察団が訪れたパリの正常化が確認できたことを報告するとともに、美しい村やフランス各地の魅力も紹介します。またフランス観光開発機構からは2016年の新しい見どころ情報を提供します。

第3段階:日本のコンシューマー向けセミナー

3月には一般消費者向けにも同じメッセージを発信します。フランス観光開発機構は日本旅行業協会内のチーム・ヨーロッパのメンバーである旅行社16社と協力して約200名の顧客とインフルエンサー(ジャーナリストおよびブロガー)を招待します。

第4段階:日仏並行キャンペーン

最後はフランス観光開発機構と観光庁が今春2カ国並行でキャンペーンを展開します。2月にはパリのメトロで、4月には東京の地下鉄で、それぞれ両国間の観光交流を促進するキャンペーンとなる予定です。

日本旅行業協会(JATA)副会長 菊間潤吾氏:日本に戻ったらフランスの現状について正確かつ具体的な情報を伝え、訪仏需要の回復をはかることができるだろう。今回のフランス旅行ではJATAで選んだ「ヨーロッパの美しい村30選」に入ったフランスの2つの村、サン・シル・ラ・ポピーとリクヴィルを訪ね、私にとってはフランスの地方が持つポテンシャルと魅力を再発見する機会となった。

フランス観光開発機構ゼネラルマネジャー クリスチアン・マンテイ:フランスと日本は非常に強い絆で結ばれている。今日は日本の観光客の皆さんに申し上げたい。フランスは皆さんが知っている、皆さんが愛するフランスのままであり続けている、と。フランス政府とフランスの観光関連業者は日本の皆さんを再びお迎えしたいと願い、最良のコンディションでそれができるようあらゆる手段を尽くす。


日本旅行業協会(JATA)副会長 菊間潤吾氏:日本に戻ったらフランスの現状について正確かつ具体的な情報を伝え、訪仏需要の回復をはかることができるだろう。今回のフランス旅行ではJATAで選んだ「ヨーロッパの美しい村30選」に入ったフランスの2つの村、サン・シル・ラ・ポピーとリクヴィルを訪ね、私にとってはフランスの地方が持つポテンシャルと魅力を再発見する機会となった。  

フランス観光開発機構ゼネラルマネジャー クリスチアン・マンテイ:フランスと日本は非常に強い絆で結ばれている。今日は日本の観光客の皆さんに申し上げたい。フランスは皆さんが知っている、皆さんが愛するフランスのままであり続けている、と。フランス政府とフランスの観光関連業者は日本の皆さんを再びお迎えしたいと願い、最良のコンディションでそれができるようあらゆる手段を尽くす。


  1. 今回の日本視察団フランス訪問はフランス観光開発機構と日本旅行業協会(JATA)が企画し、エールフランス航空、アコーホテルズ、パリ・イル ド フランス地方観光局、パリ観光・会議局、ミディ・ピレネー地方観光局、アルザス地方観光局の協力により実現しました。当プロジェクトは日本観光庁(JTA)の支援を得たほか、在日フランス大使館も当プロジェクトに積極的に参加し、それにより在仏日本大使館も参画しました。 ↩︎

Contact

フランス観光開発機構 広報部
増田真由美