ミディ・ピレネーと写真

Press kit

フォトジェニックな風景

アルビ
「赤い街」の愛称があるアルビ。橋も、大聖堂も、民家もすべてレンガ造り。そのためアルビでは、何もかもが赤く染まっているかのように見えるのだ。タルン川の水面に映る姿は非常に美しい。画家トゥールーズ=ロートレックの生まれ故郷でもあり、ゆかりの地が随所に残る。
www.albi-tourisme.fr

ガヴァルニー圏谷
圧倒される程に雄大な自然。フランスとスペインの国境に横たわるピレネー山脈には大自然の神秘が見られる。3000m級の山々、氷河の浸食によってできた石灰石のカール(圏谷)、滝、草原、生まれたての川・・・。夏はハイキングや登 山、乗馬、そして冬はスキー。楽しみは尽きない。
http://summer.gavarnie.com
http://winter.gavarnie.com

ミディ・ピレネーの写真博物館

アルチュール・バテュ・フォト・スペース

写真の先駆者、アルチュール・バテュ
「19世紀、写真の歴史はラブリュギエールを通っていった」(写真家ジャン・ディウゼッド)

人物像
1846年にカストルで生まれたアルチュール・バテュは、生涯の大半をラビュルギエールLabruguièreにある私有地アン・ロールEn Laureにて過ごした。好奇心の強いバテュは歴史や考古学そして特に写真に興味を持ち、「光を使って記す」芸術である写真の熱烈な愛好者となった。 バテュは、写真による身元証明の確立、合成による肖像写真、そして凧を使用した空中写真を長年にわたって研究した。バテュの最後の孫娘によれば、バテュは愛すべき酔狂人で、南仏の家で厳密に研究をやり通す孤独な日々を過ごし、好きなことをして人生を送った、という。 アルチュール・バテュが写真に対する先見性があったことは確かである。 1918年、アン・ロールにて卒中発作のため死去。

家族、受けた教育
アルチュール・バテュは1846年、際立った個性を発揮するのに適した恵まれた環境に生まれた。父親はソレーズにある王立学校卒業という輝かしい経歴を持つ裕福な商人、母親のマリー・バルトはマザメ市のプロテスタントの名家出身。躾の厳しいブルジョワの家庭で、豊かな教養を身につける教育を受け、カストルの高校を卒業してバカロレアに合格した。 アン・ロールはラブリュギエールにあるバテュ家の所有地で、アルチュール・バテュは幼少時代に過ごしたことがある。父方の祖母より結婚祝いとして所有地を贈与されたバテュは人生の大半をそこで送った。灌漑を施したり、農業を行うなど土地開発をしたおかげで、好奇心の向くままに暮らし、発明などの才能を発揮する生活を享受することができた。バテュはまた考古学の出土品も蒐集しており、いくつもの研究を発表した。タルン県およびカストルの考古学資料保管員に任命されている。さらに馬や徒歩でミディ・ピレネー地方を訪ね歩き、時代に先駆けてキャンプの愛好者となった。

バテュの時代、写真は登場したばかりの科学であり、芸術であった。バテュは、初期のカラー写真技法であるオートクロームや三次元映像に夢中になった。リュミエール兄弟と交流し、写真による身分証明の確立や合成肖像写真を何年にもわたって研究した。バミュの名前は世界各国の新聞に載るようになっていった。
当時は、空中写真や、彼が夢中になっていた「目に見えないものの撮影」を世間に認めてもらうことは難しかった。パリの文化人からは程遠く、彼の仕事は人々の好奇心をかきたてることはあっても、単におもしろがらせるだけに終わっていた。肖似性の高い肖像写真を簡単に撮影できることができる時代に、「ぼやけた写真」を撮ることはリスクの高いことであったのである。

現代ではアルチュール・バテュの作品は認められ、ジャン・ディウゼッドの言うように、写真の歴史はまさにラブリュギエールを通っていったのだと言えるだろう。ニューヨークのメトロポリタン美術館、ヒューストンそしてワシントンで開催された特別展「Faking it」で、バテュの存在感が再認識された。

アルチュール・バテュ・フォト・スペースとは

  • 25のショーケースおよび3つのスクリーンがあり、19世紀から20世紀初頭にかけての主な写真技術や凧による空中写真のテクニック、合成肖像写真のテクニック(カメラ、特殊な焼き付け方法、凧など)などを紹介する。
  • 特別展用に、展示用フックのある全長40メートルのスペース

その他の施設

  • 講演用、映写用にイベントスペースおよび映画館
  • 広いアトリウム。イベント開催用の美しいテラス
  • 事務スペース、5000点もの写真乾板や独自の焼き付け手法によるプリントなど1万点もの資料を保管する倉庫。

アルチュール・バテュ・フォト・スペース(於ラブリュギエール)
Espace photographique Arthur Batut,
Le Rond-Point
1 place de l'Europe
81290 LABRUGUIERE
Tel: +33(0)5 63 82 10 60
www.espacebatut.fr


写真クレジット

ガヴァルニー渓谷© CRT Midi-Pyrénées / D. Viet
アルビ© CRT Midi-Pyrénées / D. Viet
アルチュール・バテュ・フォト・スペース© Espace Photographique Arthur Battut - Labruguière TARN - Serge Nègre