アルル・ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ財団美術館

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アルルにヴィンセント・ヴァン・ゴッホ財団美術館がオープン

フランス共和国大統領フランソワ・オランドの後援のもとアルルにヴィンセント・ヴァン・ゴッホ財団美術館がオープンした。
2014年4月4日 プレオープン
4月7日(月曜日) グランドオープン

3年にわたる工事と入念な準備を経て、ゴッホの作品とアルルを永続的に結びつける場「アルル・ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ財団美術館」がオープン。
オープニング特別展「ヴァン・ゴッホ・ライブ!」を開催中である。

財団

「ヴィンセント・ウィレム・ヴァン・ゴッホ(1853年3月30日〜1890年7月29日)は1888年2月20日から1889年5月8日まで、およそ15ヶ月、言い変えれば63週、正確には444日の間アルルで暮らした。滞在中に200点もの油彩画、100点以上の水彩画やデッサンを描き、200通以上もの手紙を書いた。その大半が散逸することなく現存する。 ゴッホの制作量は驚異的であり、その旺盛な創作活動は19世紀のどんな画家も太刀打ちできない。アルルに滞在していた時期は絶頂期、ゴッホの10年にわたる芸術活動の頂点、全盛期であったと言われる。」ロナルド・ピックヴァンス著「アルルのヴァン・ゴッホ」、メトロポリタン美術館、出版社:Harry N. Abrams, Inc. 1984年発行

2010年に公益法人となったアルル・ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ財団は、現在の美術界におけるゴッホの作品の影響を問いながら、オランダ出身の巨匠が残した作品の価値を高めることを使命としている。ゴッホの作品を現代作品と並べて展望することにより、考察と問いに満ちた充実した対話が生み出されるはずだ。この野心的な芸術プロジェクトのトップには、美術評論家でありキュレーターであるビーチェ・クリガー女史が任命された。

ロケーション

美術館となる建物は、ユネスコ世界遺産に登録された旧市街にある15世紀建造の個人邸宅、レオトー・ド・ドニヌ邸である。FLUOR建築事務所所属の建築家、ギヨーム・アヴナールとエルヴェ・シュナイダーの二人が、アルルの光をコンセプトの中核にした設計を手がけた。

ビーチェ・クリガー館長はベルトラン・ラヴィエおよびラファエル・エフティの二人のアーティストに作品の制作を依頼し、ゴッホの作品に呼応する形で設計された見学コースに現代的なインスタレーションが常設される。2つのフロアーにまたがる展示スペースは1000㎡あり、企画展が開催されるほか、オーダメイドの制作物や斬新なインスタレーションが設置される。

オープニング企画展「ファン・ゴッホ・ライブ!」

2014年4月7日〜8月31日

オープン記念に、ゴッホをテーマにし、シラール・ファン・ヒューフテン企画の特別展「北の色彩、南の色彩」が開催される。ビーチェ・クリガー館長が声をかけた9名の現代アーティスト、すなわち、トーマス・ヒルシュホルン、エリザベス・ペイトン、ラファエル・ヘフティ、ゲイリー・ヒューム、ベルトラン・ラヴィエ、カミーユ・アンロ、ベタン・ヒュース、ギヨーム・ブリュエール、フリッツ・ハウザーの現代アート作品とゴッホの作品を対比させるものである。

「ゴッホの油彩画ではあらゆる物に動きがある。すべてが動いている。それは私が物を見る方法でもある」カミーユ・アンロ。「ゴッホの仕事は、芸術であるが故に、“抵抗”であり、“激しさ”であり、“動き”、“確信”、“ポジティブ”である。芸術であるが故に“自立”している。自立しているからこそ、ゴッホの作品は美しい」トーマス・ヒルシュホルン。「北の色彩、南の色彩」は、ゴッホをテーマに展開される企画シリーズの第一弾となる。シリーズでは、オランダ時代のゴッホ、ドラクロワの色使いをメインにゴッホが追求した色彩理論、過去の芸術家たちから受けた影響、印象派の画家たちから受けた影響、そして19世紀末の前衛芸術家たちから受けた影響、南部の光を見いだし、その力強い光線を見いだすに至るまでの過程を考察していく。

www.fondation-vincentvangogh-arles.org