2019年9月20日、フランスのヨーロッパ・外務省にて、ジャン=パティスト・ルモワンヌ、ヨーロッパ・外務大臣付副大臣の臨席のもと、工場見学や企業見学などで、その卓越した“サヴォアフェール”(savoir-faire : モノづくりにおける知と技)を公開する優良施設100カ所を発表するイベントが開催されました。
このたび、企業見学を推進する全国規模の協会である「企業と発見」(Entreprise et Découverte)は、すばらしい企業・工場見学を提供する100施設を初めて選出し発表しました。選ばれたのはいずれもフランスのサヴォワフェールを代表するもの。また、ヨーロッパ・外務省は、文化省との連携により、文化観光の新しい分野である「サヴォワフェール観光」へ取り組むことを宣言しました。
企業見学では、小規模な工房や大きな工場のなかで、優れた製品が製造される様子を見学できます。「サヴォワフェール観光」は、大切な価値を伝える革新的で人間味あふれる文化観光です。とりわけ企業にとっては、自分たちの持つ知識や技術を知ってもらい、透明性をアピールし、自社の取り組みについて訪問者に直接伝えることのできる手段となります。
「サヴォワフェール観光」はフランスが得意とする観光分野です。これほど充実した企業・工場見学の施設が国土全体に広がる国はほかになく、フランスでこの施設情報の提供を一元的に行っているのが「企業と発見」協会です。2018年には1500万人の観光客が2000社を見学しました。これは、経済分野において今に生きる遺産を通して、フランスを発見する新しい方法となっています。
「サヴォワフェール観光」の分野には外国の人々を惹きつける大きな魅力があります。しかし、この新たな観光分野は、その代表的な施設──化粧品ブランドのロクシタンや老舗香水ブランドのフラゴナール、フランスの公的機関で使われる家具調度品やテキスタイルを製作するモビリエ・ナショナル(国有動産管理局)の工場、エアバス航空機の組立工場─ともども、ほとんど知られていません。
「企業と発見」協会はこの分野の知名度を高めるため、今回初めて、優良企業・施設を集めた「フランスの卓越したサヴォワフェール」(France savoir-faire d’excellence)というクラブを結成し、フランス観光開発機構とのパートナーシップのもと、国外での広報キャンペーンを開始するはこびとなりました。クラブのメンバー企業は、下記の3つの基準をもとに選出されました。
- 国外からの観光客の受入れ態勢が整った企業であること
- 知名度が高く、しばしばその地方のシンボルとなっているブランドであること
- 文化や信頼性の面でも、人的な面でも質の高い見学ツアーを提案できること
9月20日のローンチイベントでは、「卓越した企業」に選ばれた100社が出席する中、クラブ設立の趣旨と活動計画が発表されました。
活動計画は次の2つの柱からなります。
- 継続的活動:毎年1回の「卓越した企業」カタログの発行、フランス観光開発機構とのパートナーシップによる広報・メディアキャンペーン、国際的な大規模ツーリズム・トレードショー「ランデブー・アン・フランス」への毎年の参加など
- 単発の活動:在外フランス大使館と協力した国外イベントの開催、「卓越した企業」が所在するフランス各地方におけるキャンペーンの実施など
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