トゥールーズ=ロートレック生誕150年 [1]
アルビにあるトゥールーズ=ロートレック美術館Musée Toulouse-Lautrecは、1864年にこの町で生まれ、世紀末にパリで活躍した画家トゥールーズ=ロートレックの世界で最も充実したコレクションを所蔵しており、油彩画、リトグラフ、デッサン、習作のほか、ポスター31枚などが展示されている。それらの作品はベルエポック時代のパリ、そしてモンマルトルの芸術家たちとの極めて密接な関係から生まれたもので、この美術館では特定の枠に収まることのない作品を生み出していった特異な才能に触れることができる。美術館となっているのは、13世紀にサント・セシル大聖堂近くに建造され、1905年に美術館に改装されたアルビの大司教の邸宅ベルビー宮殿。コレクションはトゥールーズ=ロートレックの両親からの寄贈を受けたことにより非常に充実した内容となり、ユネスコ世界遺産に登録されたアルビの町を代表するこの建物にて1922年より公開されている。最近改修工事が行われたトゥールーズ=ロートレック美術館はアルビの町の親善大使とも言うべき存在で、来館者数は毎年17万5000人にのぼり、地方にある美術館としてはトップに入る。
充実した所蔵作品を誇る美術館
トゥールーズ=ロートレック美術館のコレクションは質が高く、古代芸術や考古学的遺物なども大変充実している。3階部分は近代の作品が展示されており、非常に見応えがある。トゥールーズ=ロートレックと同時代の画家たち(ゴーギャン、ドニ、ボナールなど)や、彼らに影響を与えた画家たち(フォラン、ドガ)、更にはマティスやデュフィ、ヴァン・ドンゲンのように修業時代に出会った仲間たち、ブールデル、マイヨール、デスピオーなど著名な彫刻家たち、そして絵画グループ「詩的な現実Réalité poétique」に属する画家たちの作品などがあり、20世紀前半の芸術に触れることができる。
www.museetoulouselautrec.net [2]
写真クレジット
トゥールーズ・ロートレック美術館© Tarn Tourisme /D. Vijorovic
トゥールーズ・ロートレック美術館© MuséeToulouse Lautrec /Albi Tarn/François Pons