ナポレオンとジョゼフィーヌ、2世紀の時を越え [1]
2014年はナポレオンの国内戦役と退位から200年にあたる。フランス初代皇帝となったナポレオンの威光を振り返り、帝位最後のときを偲ぶ展示が各所で行われる。一方、最愛の后ジョゼフィーヌの没後200年にもあたる2014年は、リュクサンブール美術館でのジョゼフィーヌ展で彼女の稀有な生い立ちを振り返るほか、彼女がバラのコレクションに精を出したマルメゾン城にて新たなバラ園がオープンする。
フォンテーヌブロー宮殿
130ヘクタールの広大な森と庭園に囲まれたフォンテーヌブロー宮殿は、ユネスコ世界遺産に登録されており、第一帝政期の歴史を今に伝える多くのオブジェが残される。 宮殿内にはナポレオン1世博物館があり、ボナパルト家所有の家具調度品や美術品、戦闘で使用された武器、コスチューム、資料や遺品などが集められている。大居室棟にあるナポレオン1世の寝室は当時の状態のまま保存されており、その他にもナポレオンが皇后ジョゼフィーヌや2番目の妻マリー・ルイーズと使用した部屋が残る小住居棟がある。
フォンテーヌブロー宮殿 [2]
関連イベント
ナポレオン1世の退位後200年記念イベント (2014年4/12、13、19、20)
Bicentenaire des Adieux de Napoléon 1er
フォンテーヌブロー宮殿は第1帝政の終焉および 1814年のナポレオン1世の退位の舞台となった場所。これに因み、当時の様子を今に甦らせ、歴史をよりよく理解する催しや歴史再現イベントが行われる。
特別企画展「王の画家、画家の中の王」(3/29~6/30)
Peintre des rois, roi des peintres
ダヴィッド派の画家の一人フランソワ・ジェラールは歴史画、とりわけ肖像画家として名を挙げ、1800年以降はナポレオンの宮廷画家として活躍して首席画家の称号を得た。今展では風景画、製図を含めた70点あまりの絵画作品を紹介しながら、当時「王の画家、画家の中の王」と呼ばれたフランソワ・ジェラールの活動にオマージュを捧げる。
ヴェルサイユ宮殿
絶対王政のシンボルとして世界に知られたヴェルサイユ宮殿は、1830年に王位についたルイ=フィリップの意向によりフランス歴史博物館に改装され、ナポレオンに所縁のある数多くの美術品やオブジェが展示されている。
ヴェルサイユ宮殿 [3]
La Galerie des Batailles 戦闘の回廊
496年のトルビアックの戦いから1809年のヴァグラムの戦いに至るまで、フランス史上名高い戦闘を描いた33の絵画が展示されている。La Salle de 1792 1792年の間
フランス革命のターニング・ポイントともいえる1792年に焦点を当てた間。ナポレオン・ボナパルトの肖像画他、統領政府時代、帝政時代に元帥や将官となった若き将校の肖像画が飾られている。La Salle du Sacre 戴冠の間
ダヴィド作「ナポレオン1世の戴冠式」および「鷲の軍旗の授与」の2作品によりナポレオン帝政期の栄光を今に伝える間。ナポレオンの若き日の肖像画と戴冠の際にコスチュームを纏った肖像画の2点、その他、2人の妻、ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネとマリ・ルイーズの肖像画も飾られている。
マルメゾン宮殿
統領政府時代、マルメゾン城はナポレオンとジョゼフィーヌ・ボナパルトの居城となり、1800年から1802年まではフランス政府機能がおかれた。美しい邸宅の中でジョゼフィーヌは数々のレセプションや宴を開催し、亡くなるまでをこの城で過ごした。食卓から寝室に至るまで、ナポレオンとジョゼフィーヌのプライベートな暮らしぶりや思想に触れることができる。また、リュエイユ=マルメゾンの町にはジョゼフィーヌの墓が残る。
マルメゾン宮殿 [4]
➲関連イベント
Exposition ≪Joséphine, la passion des fleurs et des oiseaux≫
特別展示「ジョセフィーヌ、花と鳥への情熱」(2014年4月2日~6月30日)Inauguration du ≪jardin des roses anciennes≫
「オールドローズ バラ園」開園(2014年5月または6月)Exposition ≪Joséphine, de la mort au tombeau≫
特別展示「ジョセフィーヌ、その死について(仮)」(2014年10月~2015年1月)
リュックサンブール美術館で特別企画展「ジョゼフィーヌ」
皇后ジョゼフィーヌの没後200周年を記念して開催される展覧会では、彼女のプライベートの品々や、所有の美術コレクション品の中でもとりわけ傑作とされるものを初めて一堂に会して一般に公開する。今展は、クレオールの出身、ナポレオン・ボナパルトとの結婚、皇后としての体面を保ったこと、旅や音楽・植物に対する情熱、ナポレオンとの離婚後の人生など、ジョゼフィーヌの生涯を網羅した展覧会となっている。
リュクサンブール美術館 [5]
2014年3月12日~6月29日
パリでナポレオンの足跡を辿るなら…。
- アンヴァリッド(軍事博物館、ナポレオン1世の廟 [6])
- パンテオン [7]
- 凱旋門 [8]
写真クレジット
Château de Fontainebleau © O.Jobard/Sipa/CRT PIdF
Château de Malmaison ©N.Revelli-Beaumont/Sipa/CRT PIdF
ピエール=ポール・プリュードン「マルメゾンの庭に腰掛けるジョゼフィーヌの肖像」1805年
© Rmn-Grand Palais (musée du Louvre) / Gérard Blot