パリ・イルドフランスと写真 [1]
フォトジェニックな場所
凱旋門
パリの象徴であるエトワール広場の凱旋門。オーステルリッツの戦いで勝利した大陸軍の功績を讃えてナポレオンが1806年に建築を命じた。パリを見おろすように建ち、ナポレオンの古代ローマへの憧れを象徴している。門の下は第一次世界大戦で倒れた無名戦士の墓となっており、毎晩18時30分に火が灯る。
凱旋門からはシャンゼリゼ通りをはじめ12本の道が放射状に延びるので、異なる角度から撮影して違いを楽しんでみても
凱旋門 [2]
ルイ・ヴィトン財団美術館
パリ南西部のブローニュの森に出現した奇想天外なフォルムの建築は、フランク・ゲーリー設計によるルイ・ヴィトン財団美術館(オープンは2014年秋予定)。動きと透明感のあるガラス屋根は、19世紀にパリ市内の庭園に造られた温室建築にインスピレーションを得て作られた。
周囲の自然景観に浮かび上がるのは、風で帆を膨らませた大型船。12枚の帆を構成する3600枚のガラスパネルは最新技術で一枚ずつ精緻な曲げ加工が施されている。
ルイ・ヴィトン財団美術館 [3]
パリ・イルドフランスの写真イベント
アンリ・カルティエ・ブレッソン展(パリ、ポンピドゥー・センター)
« Henri Cartier-Bresson » au Centre Pompidou
2014年2月12日~6月9日
アンリ・カルティエ=ブレッソンの没後10年を記念した、ヨーロッパで初めての回顧展が大々的にポンピドゥー・センターにて開催される。500点以上もの写真やデッサン、絵画、映像、文書などが展示され、現代を代表する写真家カルティエ=ブレッソンの名声を築き上げた70年におよぶ仕事を俯瞰する。
本展では、天才的な構図、一瞬の動きを摑み取る器用さを説明するのに長い間十分とされてきた「決定的瞬間」を超えて彼の芸術の本質に迫る。他界して10年、遺族に残された数千枚もの写真が彼の名を冠した財団によってまとめられた今日、この回顧展はカルティエ=ブレッソンの作品を改めて見直す機会となる。「世紀の目」と呼ばれたカルティエ=ブレッソンは歴史の偉大な証人なのである。
また本展では、カルティエ=ブレッソンの仕事が多技に渡り、作品の主題もシュルレアリスムからスペイン戦争、第二次世界大戦、植民地解放、冷戦に至るまで多種多様であることも明らかにされる。世界的に有名なアイコン的な作品の展示もあるが、あまり知られていない仕事も紹介されており、これまで非公開とされてきたルポルタージュを評価し直し、絵画やデッサンに光を当て、映画の世界との関わりにも注目している。
作品は3つの軸を中心に時代順、テーマごとに展示されている。ひとつめの軸はシュルレアリスムの影響を受け、本格的に写真に取り組み、世界各地を飛び回った1926年から1935年にかけての時期。2つめ軸はアメリカから帰国し再びニューヨークへと向かうまでの、政治的な関わりをもった時期で、1936年から1946年の10年間。そして3つめが写真家集団「マグナム・フォト」を結成した1947年から、写真撮影から遠のいた1970年代始めまでの時期である。
この回顧展を機会に、クレマン・シェルー監修によるカタログがポンピドゥー・センターから出版される。作品を参照することができる図録の役割を果たすと同時に美しい写真集ともなっている。
ポンピドゥーセンター [4]
ロバート・メイプルソープ展(パリ、グラン・パレ)
«Robert Mapplethorpe » au Grand Palais
2014年3月26日~7月13日
ロバート・メイプルソープはポートレート、ヌード、静物などのモノクロの非常にスタイリッシュな作品で知られる芸術写真の巨匠である。エロチシズムに溢れた官能的な作品で有名だが、そのほか200点以上の作品が展示され、1970年代初頭から若くして他界する1989年まで彼が追求し続けた完璧な美学を紹介する。
グラン・パレ [5]