ニース、ヴィシー、コルドゥアン灯台が世界遺産に

城址公園からプロムナード・デ・ザングレを見下ろす
ロシア正教会大聖堂
コルドゥアン灯台
コルドゥアン灯台
カジノ
セレスタン泉のパヴィヨン
Press release

2021年7月16日~31日まで開催された第44回世界遺産委員会にて、フランス国内の4つの案件があらたに世界遺産登録を受けました。この時点でフランスの世界遺産登録件数は、文化遺産42、自然遺産6、複合遺産1、計49件となりました。

ヴィシー、ヨーロッパの偉大な温泉都市 Vichy, Grandes villes d’eaux d’Europe

欧州7か国にある11の温泉都市 が、1700年から1930年代にかけて興隆した欧州の湯治文化からなる都市づくりを証明する例として世界遺産に登録されました。フランスからは中部オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地方のヴィシーが11都市のひとつとして登録されています。

ヴィシー、フランスにおける温泉都市の女王 フランスの近代的な温泉保養都市として有名なヴィシーは、19世紀から20世紀初頭にかけてヨーロッパの温泉文化の創造に大きく貢献しています。アリエ川右岸の平野部に開かれた都市は、パリの都市計画の原則と、街の中に温泉の遊歩道を組み合わせる形でできています。ナポレオン3世が公園や大通りを備えた新しい温泉街の建設を奨励し、大規模な温泉施設、屋根付きの遊歩道で結ばれたカフェやカジノ、劇場、ホテル、別荘などを備えるコスモポリタンな「小パリ」が作られました。

登録を受け、フレデリック・アギレラ ヴィシー市長は次のように述べています。「ヴィシー市民と、登録のために尽力された関係者すべてを代表し、今日、ヴィシーがユネスコ世界遺産の仲間入りができたことを大変誇りに思います。「偉大なヨーロッパの温泉都市」の一員としての世界遺産登録は、ヴィシーの遺産をより広く伝え、国を越えてわが市ヴィシーの知名度を上げる素晴らしい機会となります」

アクセス:パリのベルシー駅から都市間連絡線(Intercités)で約3時間。 www.vichy-destinations.fr

コルドゥアン灯台 Le phare de Cordouan

コルドゥアン灯台は、大西洋、ジロンド川河口にある浅い岩盤の上に建ち、危険で近寄り難い場所にあります。16世紀末から17世紀初頭にかけ、白い石灰石のブロックで作られたこの建物はルイ・ド・フォワが設計し、18世紀末にトゥエールによって再設計されました。

海上標識の傑作であるコルドゥアン灯台はピラスター、円柱、円柱、軒持送り(モディリオン)、ガーゴイルなどで装飾されが見事なモニュメントです。

コルドゥアン灯台には、灯台の建築と技術についての歴史上の主要な段階が刻まれています。灯台が領土の目印や安全装置として重要な役割を担っていた航海の発展期における灯台建設の技術を現代に伝えています。また、18世紀末に行われた嵩上げと灯ろう部分への変更は当時の科学技術の進歩を物語っています。その建築形態は、古代様式やルネッサンス期のマニエリスム、またフランスの技術者養成機関である土木技術学校の独特の建築様式の影響を受けています。

アクセス: シャラント・マリティーム県のロワイヤン(Royan)もしくはジロンド県のヴェルドン・シュル・メール(Le Verdon-sur-Mer)からの船でアクセス可能。航海時間は約45分。

www.phare-de-cordouan.fr

リヴィエラの冬季保養都市、ニース Nice, ville de villégiature d’hiver de Riviera

イタリアとの国境近くに位置する地中海都市ニースは、温暖な気候とアルプスの麓の海辺に位置するという立地条件から、18世紀以降、冬季の保養地として発展しました。観光のために形成され発展した都市ニースは、その独自の歴史、観光都市としての成り立ちに「例外的な普遍的価値」が認められユネスコ世界遺産に登録されました。

18世紀半ば以降、ニースにはイギリス人を中心とした貴族や上流階級の家族が好んで訪れ、冬を過ごすのが習慣となっていました。1832年、当時サヴォワ領の一部であったニースは、外国人にとって魅力的な街にするため、規制付きの都市計画を採用しました。その後まもなく、海辺に沿った幅2メートルのささやかな小道 Camin dei Inglesi が、1860年にフランスに割譲されてから、格調高い遊歩道プロムナード・デ・ザングレ Promenade des Anglais に生まれ変わっています。20世紀になるとロシアをはじめとする他国からも越冬者が増加し、中世の旧市街に加えて新しい地区が次々と開発されました。

このように、越冬者たちが持ち込んだ多様な文化的影響や、土地の気候や景観を最大限に活用しようとする意欲が、これらの地区の多彩な都市計画や建築様式を形成し、国際色豊かな冬季保養地としてのニースの評価を高めていったのでした。

「ニースの歴史には地元に根付いたものと外に開かれたもの、地中海的なものととアルプス的なもの、ヨーロッパ的なものとコスモポリタンなものと、両方の面があり、それが独特の建築と景観を生み、世界の他の幾多の都市のモデルとなったのです」 ニース市長、クリスチャン・エストロジ

アクセス:パリのリヨン駅からTGVで約5時間50分、パリのオルリー空港またはシャルル・ド・ゴール空港より約1時間25分。 www.nicetourisme.com

カルパティア山脈とヨーロッパ各地の古代及び原生ブナ林 Forêts primaires de hêtres des Carpates et d'autres régions d'Europe

シャピトル・プティ・ビュエッシュ(オット・ザルプ県)、グラン・ヴァントロン(ヴォージュ県とオー・ラン県)、マサヌ(ピレネー・オリエンタル県)の自然保護区
Les réserves de Chapitre Petit-Buëch (Hautes-Alpes), du Grand Ventron (Vosges et Haut-Rhin) et de la Massane (Pyrénées-Orientales)
2007年の登録後、2011年、2017年、2021年に拡張登録され、欧州18か国94か所に及ぶ案件。フランスは2021年に上記3つの自然保護区が追加登録されています。