南仏ラ・グランド・モットで開催の沿岸環境見本市、日本がゲスト国に

ラ・グランド・モット
ラ・グランド・モット
セート港
セート市街を流れる運河
Press release

2020年9月29、30日に南仏オクシタニー地方の海浜リゾート地ラ・グランド・モット(La Grande Motte)にて、地元メディアグループの主催で開催する沿岸環境見本市(Le Salon du Littoral)は、フランスのピレネーから地中海にかけて広がるオクシタニー地域圏が後援し、地中海沿岸の発展の鍵を握る業界関係者や組織が参加します。

今年の見本市は日仏の海洋問題を包括的に扱った「日仏海洋対話」の反響を受ける形で、在日フランス大使館の協力を得て、また日本とオクシタニー地方の間に培われた数々の連携を鑑み、日本をゲスト国として取り上げます。当見本市において、ある国に焦点を当てるのは初めてのこと。

9月29日のプログラムでは日本の沿岸環境における官民の事例を紹介するため、3名の専門家を招いた講演会を開催いたします。

● 里海プロジェクト
松田治教授、国際エメックスセンター 副理事長 沿岸域におけるあらゆる関係者とそれぞれが持つ期待や制約を集約し、環境と地域共同体への配慮をとりながら経済および社会活動を持続可能な形で発展させるための包括的アプローチの事例。

● 北九州港
光武 裕次 氏  北九州市港湾空港局 エネルギー産業拠点化推進担当理事 北九州港は西日本において最も重要な貿易港で国際海運のハブ港。光武氏は「グリーンエネルギーポートひびき」事業などに携わる。

● 沖縄科学技術大学院大学(OIST)
ヴィンセント・ラウデット教授、海洋生態進化発生生物学ユニット長 日本の海域におけるOISTの取り組みについて。

イヴ・エノック氏  (ミディ・リーブル紙編集部と共同で進行を担当)

氏は元フランス海洋開発研究所(IFREMER)アジア・太平洋派遣研究員であり、とくに在東京の海洋研究開発機構(JAMSTEC)の客員研究員として活動。現在、フランス財団海洋および沿岸委員会会長。

なお、新型コロナウィルスの拡大状況を鑑み、当見本市では、講演者、出展者、来場者の安全を守るための特別措置を講じます(マスクの着用必須、消毒ジェルの設置、会場内の来場者数コントロール、講演スペースでの椅子間隔を1メートル確保など)。

フランス側出席者:

  • Didier Cordoniou ディディエ・コルドニウ(オクシタニー地方圏議会副議長、海洋および沿岸経済担当)
  • Eric Guyot エリック・ギュヨ(オクシタニー地方知事)
  • Frédéric Moncany de Saint Aignan フレデリック・モンカニ・ド・サン・タニャン(フランス海洋クラスター 会長)
  • Stéphane Rossignol ステファヌ・ロシニョル(ラ・グランド・モット市長)
  • Thierry Ravot ティエリ・ラヴォ(預金・供託金庫 地方長官)
  • Serge Pallarès セルジュ・パラレス(フランスレジャー港連盟会長、オクシタニー港町連合会長)
  • Olivier Carmes オリヴィエ・カルム(セート・フロンティニャン南仏港 局長)
  • Pr Vincent Laudet ヴィンセント・ラウデット教授(沖縄科学技術大学院大学)

日本側ご臨席予定

  • 武田朗氏(在マルセイユ日本総領事館 総領事)

オクシタニーと日本の関係

オクシタニー地域圏は2015年以来、国際事業における重点地域に日本を選び、経済、商務、旅行者送客、文化協力、第一線で活躍するスポーツ選手の受入れなどにおいて、両者の関係を深めて参りました。

  • 2016~2019年の間、日本に向けて5回のオクシタニー地域圏によるミッションを派遣、うち3回はキャロル・デルガ オクシタニー地域圏議会議長が団長となる。
  • 愛知県との間に友好交流及び相互協力に関する覚書を締結(2018)
  • 京都府の間で、アーティストレジデンスに関わる文化協定を締結(2019)
  • 日本からフランスの地方都市へ初のチャーター機を運用した旅行会社と覚書を締結(2019年5月の東京/トゥールーズ間特別便)
  • 日仏第1回高分子科学シンポジウムを開催(2020年1月、於モンペリエ)
  • 株式会社ALEがトゥールーズに拠点を置く(2020年1月)
  • オクシタニー地域圏の東京事務所を開設(2018年)

オクシタニーの海洋・沿岸政策

220キロにわたる海岸線を持ち、その上に20の海浜リゾートを有するオクシタニー地方は海洋上での存在感を発揮しています。オクシタニーは地中海のフランス漁船が最も多い地方で、地域圏が所有する3つの海洋港(セート・フロンティニャン、ポール・ラ・ヌヴェル、ラ・グロ・デュ・ロワ)のほか、70のマリーナが海洋、湖、河川上に存在します。 オクシタニー地域圏は2017年7月に「沿岸計画21(le Plan littoral 21)」を策定し、その沿岸部を、地域が持つ近代化と調和のとれた開発をもって、経済強靭性とイノベーション分野におけるモデルとする目標を掲げました。オクシタニー地域圏はまた、欧州でも唯一の機構として「海洋議会(Parlement de la mer)」を創設しました。これは海洋のコミュニティを連邦化することで、海と沿岸部の当事者を終結し、共同作業を可能にし、革新的なプロジェクトを生み出すことを狙いとしています。

開催地について

La Grande Motte ラ・グランド・モット

海のレジャーに特化したリゾート地 ラ・グランド・モットは今日、海辺の観光地の代表的な存在となっています。モンペリエから数キロの場所に位置する美しい海辺の街は、類まれなる建築(フランス国家が「20世紀遺産」に登録)と保全された自然が調和を保っています。港と水上における施設とサービスの質の高さから、最上級の港に位置づけられています。

Le Port de Sète セート港

オクシタニー地域圏が保有する港で「沿岸計画21」の戦略港に位置づけられています。マリーナの浮体構造による港湾事務所、市中心部に位置し400メートルを超えるマイヨール埠頭(le Quai Maillol)には60の係留地が増設されてレジャー機能が強化されるなど、数々の設備の刷新により港の近代化が進められています。都市整備と環境保全の分野におけるモデルケースです。

Contact

フランス観光開発機構 広報部 増田