コースの紹介
フランス西部は過去と現在が交差する十字路。現代性を重視しながらも、過去を認めて記憶に留め置こうとする精神が際立っています。
ポワティエPoitiersは歴史の栄枯盛衰を目にしてきた街で、それを物語るのが宗教建築物です。街には4世紀に建立されたサン・ジャン洗礼堂baptistère Saint-Jeanやそれと同じくらい古い建築物のほか、ロマネスク建築の傑作がいくつも残されています。街に新たに流入しているのは学生で、彼らが現代アート、美食、自然を賛美する精神を受け継いでいます。
ロワール渓谷ではどこでもそうですが、アンジェAngersもまたその歴史遺産と大地の恵を誇ります。ロワール地方最大の城塞、フランスで3番目に大きい産地にある高名なアンジュー地区のワイン、歩行者専用の歴史地区に建ち並ぶ大小のレストランのテーブルを飾る素晴らしい美食など魅力がいっぱい。
ナントNantesは2つの地方、つまり歴史的につながりのあるブルターニュ地方と現在行政区分上属しているロワール地方の影響を受けています。そんな複雑な事情があるがゆえ、シュルレアリスムがナントで誕生したのも驚きではありません。さらには、この街出身のジューヌ・ヴェルヌの「スチームパンク」的なビジョンが、機械仕掛けの不思議な生きものたちを世に送り出しているレ・マシーン・ド・リルLes Machines de l’Îleへと発展したのも頷けます。
レンヌRennesにはカラフルな木組みの家が286軒残っており、ブルターニュ地方の中世を今に伝えるシンボルとなっています。その一方でこの街は、歴史と科学を紹介する最先端のミュージアムなどが入った現代的な複合施設、シャン・リーブルChamps Libresなども備えています。つまりレンヌは、過去と現在を巧みに交差させた街なのです。
コースの途中の見どころ
ポワティエ~アンジェ
- ブリサック城Château de Brissac:フランスで一番高い城で、「ロワール渓谷の巨人」の異名を持つ。
アンジェの先
- ル・マンLe Mans:「シテ・プランタジュネCité Plantagenêt」と呼ばれる旧市街には石畳の道、木組みの家、ローマ時代の城壁などが残っている。
- プレシ・ブレ城Château du Plessis-Bourré:おとぎ話に出てくるような城。15世紀に築かれたが、保存状態は良好。現在も稼働する跳ね橋が水を湛えた堀に架かっている。
レンヌの先
- カマレ・シュル・メールCamaret-sur-Mer:ヴォーバンの塔Tour Vauban(「黄金の塔」を意味するトゥール・ドレTour Doréeとも)は歴史ある要塞で、ユネスコの世界遺産に登録されている。
移動について
都市 | 都市間の最短距離 (目安) | 列車/バスを使った都市間の移動所要時間 (目安 |
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ポワティエ ↔ アンジェ | 146 km | 2時間30分(最低1回は乗り換え) |
アンジェ ↔ ナント | 90 km | 37分(高速列車TGV) |
ナント ↔ レンヌ | 113 km | 1時間20分(ローカル列車) |
都市間の距離が短いことと、都市周辺および移動の途中に見どころがたくさんあることから、車での移動がおすすめ。とはいえ、直通列車があり、所要時間もそれほどかからないので、鉄道でも簡単に移動できます。